中小メーカーのEC構築 完全ガイド|卸・実店舗依存からEC売上を育てる事業設計の作り方

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「ECサイトを作ったのに、月商が10〜30万円から一向に上がらない」
「展示会の成果が落ちてきて、新しい販路が必要だとわかってはいる」
「ECをやりたいが、社内に担当者がいないし、何から始めればいいかわからない」

こうした悩みを持つ中小メーカーの経営者は、実はとても多くいます。そして多くの場合、問題はECサイトの「作り方」ではありません。「ECサイトがある」ことと「EC事業がある」ことはまったく違う、というのが問題の本質です。

食品・雑貨・アパレル・美容・工芸など、自社ブランドを持つ中小メーカーを支援してきた経験から言うと、ECで売れていない会社のほとんどは、ECサイトの品質ではなく事業設計と運用体制に問題があります。この記事では、EC月商を30万円の壁から100万円・300万円へと育てるための事業設計から、具体的な構築手順・運用施策まで、一気通貫で解説します。

こんな方におすすめの記事です

  • ECサイトはあるが月商10〜30万円で止まっている中小メーカーの経営者
  • 展示会や卸依存の販売構造から脱却したいと考えている方
  • これからEC事業を本格化したいが何から始めるべきか迷っている方
  • 担当者がいない状態でもEC事業を始めたい経営者
  • 食品・雑貨・アパレル・美容・工芸などの自社ブランドを持つメーカー

この記事でわかること

  • 「ECサイトがある」と「EC事業がある」の本質的な違い
  • EC構築前に決めるべき5つの事業設計
  • 中小メーカーに適したプラットフォームの選び方
  • EC売上を月商100万円へ育てるフェーズ別ロードマップ
  • 担当者がいない会社でも動ける最低限の運用体制
目次

なぜ中小メーカーはECで売れないのか|「ECサイトがある」と「EC事業がある」の違い

多くの中小メーカーのECが月商10〜30万円で止まる理由は、ほぼ共通しています。それは「ECサイトを作ることがゴール」になってしまっていることです。

ECサイトを作っただけで止まっている会社の4つの共通構造

① 制作して終わり

ECサイトを公開した時点で達成感が生まれてしまい、その後の運用設計がありません。更新も集客も行われないまま、サイトが放置された状態になっています。制作から5年以上が経過しデザインが古くなっているケースも珍しくありません。

② 集客が存在しない

広告なし・SEOなし・SNS更新停止・メルマガなし——。これでは誰にもサイトを見てもらえません。ECサイトは開店しただけでは誰も来ない「人通りのない場所に構えたお店」と同じです。意図的に集客設計をしない限り、アクセスは増えません。

③ 商品ページが弱い

写真が最低限・説明文が短い・商品のストーリーがない。この状態では、アクセスが来ても購入につながりません。ECでは実物を手に取れないため、写真・文章・動画で価値を伝えきることが購入率を左右します。

④ EC担当者がいない

社長・専務・事務スタッフが「片手間」でEC業務を担当している状態です。ECが「仕事として存在していない」ため、PDCAが回らず何も改善されないまま月日が過ぎていきます。

「ECサイトがある」状態と「EC事業がある」状態の差

項目 ECサイトがある状態 EC事業がある状態
集客 ほぼゼロ・偶発的 SEO・SNS・広告が設計されている
商品ページ 最低限の情報 ストーリー・写真・比較が充実
顧客管理 なし CRM・メルマガで関係を継続
担当体制 片手間対応 担当者が存在し数値を管理
リピート ほぼなし リピーターが売上の30〜50%を占める
月商 10〜30万円 100〜300万円以上

EC事業として機能している会社は、特別なことをやっているわけではありません。「集客→商品ページで価値を伝える→購入→リピート」という流れを設計し、継続して改善しているだけです。この設計があるかどうかが、月商30万円と100万円の差を生みます。

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今、中小メーカーにEC事業が必要な理由

「ECが必要だとはわかっている。でも今すぐ動くべきか迷っている」——そういった経営者からよく相談を受けます。ただ、支援先の実態を見ていると、動き出しが早いほど成果が出やすいことは明らかです。

展示会・卸依存の販売構造が限界を迎えつつある

支援先の中小メーカーの経営者から「展示会の名刺が年々減っている」「卸先が廃業して取引量が減った」という声が年々増えています。展示会の出展コストは上昇している一方、バイヤーの購買姿勢は慎重になり、商談につながる件数が減少しています。卸先の廃業・業界再編も進んでおり、主要な卸先が集約されることで取引が不安定になるリスクが高まっています。

紹介・既存顧客頼みの構造は安定しているように見えますが、拡大の天井が低く、1社の取引量が減るだけで売上全体が揺れます。

ECが中小メーカーにもたらす4つのメリット

  • 地理的制約なしの直販で地方メーカーでも全国の顧客と直接つながれる
  • 24時間受注の仕組みで営業担当がいなくても注文が入る状態を作れる
  • 顧客データが蓄積されマーケティングの精度が上がっていく
  • 卸手数料なしの直販でEC経由の利益率は卸の1.5〜2倍になりやすい

EC事業を持つ理想の売上構成

現在の典型的な中小メーカーの売上構成は「実店舗40〜60%・卸40〜60%・EC5%未満」です。これをEC事業として育てた後に目指すべき構成は「実店舗30%・卸40%・EC30%」です。3本柱の構成になると、どれか1チャネルが落ちても会社全体へのダメージが限定されます。また、EC経由でついたリピーターは卸経由の客より単価・頻度が高い傾向があり、売上の安定性が大きく変わります。

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EC構築前に決めるべき5つの事業設計

「とりあえずShopifyを作ってみた」「とりあえずBASEに登録してみた」——この発想ではEC月商30万円の壁を超えることはほぼできません。ECサイトを構築する前に、以下の5つの事業設計を済ませておくことが、成功と失敗を分ける最大のポイントです。

設計① EC事業の位置づけと目標を決める

まず最初に問うべきことは「EC事業で何を実現したいか」です。目標が曖昧なまま始めると、施策の優先順位がつかず、少し成果が出ないだけでやめてしまうことになります。数字で目標を設定し、それに向けた投資と施策の方向性を決めることがスタート地点です。

  • 3年後のEC月商の目標を月100万円か300万円かで数字で設定する
  • ECが実店舗や卸に対してどういう役割を果たすかを決める
  • 年間のEC投資予算(制作費・広告費・運用費)を確保する

設計② EC向け商品の選定

すべての商品をECで売ろうとするのは、リソースが限られる中小メーカーには向きません。EC向きの商品を選ぶ基準は以下の4点です。

  • 利益率が高く送料を含めても十分な利益が出る価格設定ができる商品
  • 食品や消耗品など定期的に再購入されるリピート性のある商品
  • 写真や動画で実物を見なくても価値が伝わる商品
  • なぜこの会社でこの商品なのかというストーリーが語れる商品

設計③ 価格と利益の設計

EC事業を始めるにあたって最も見落とされがちなのが価格設計です。卸価格と同じ価格でECを売ると卸先との関係に問題が生じるケースがあります。また、送料無料ラインの設定とセット販売の設計は、客単価と購入率の両方に影響します。

  • EC価格は卸価格より高く設定して卸先との価格競争を避ける
  • 送料無料ラインを設けて追加購入の動機を設計する
  • セットや定期購入プランで客単価と利益率を改善する

設計④ 運用体制を決める

「担当者がいない」ことはEC事業が失敗する最大の理由です。完璧な体制でなくてよいので、最低限以下を決めます。全部を一人でやろうとせず、外部支援と役割分担することが現実的なスタートです。

  • 社長でも事務スタッフでもEC担当者を1名決めることが出発点
  • 週に何時間EC業務に充てるかを明示的に時間として確保する
  • 制作やデザインや技術設定は外部支援に任せる範囲を決める

設計⑤ 集客の基本方針を決める

ECサイトは作っただけではアクセスが来ません。開店初日にゼロから始まることを前提に、集客の基本方針を事前に決めておきます。既存顧客への告知が最初の一手として最もコスト効率が高い施策です。

  • 実店舗来客や展示会名刺へのEC告知が最初の売上を作る最短ルート
  • InstagramやSNS運用でブランドファンを育てECへの流入経路を作る
  • 購入者リストを育てメールマーケティングでリピート率を高める
  • SEOブログで3〜6ヶ月後から安定した検索流入の基盤を作る

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ECプラットフォームの選び方|中小メーカー向け比較

事業設計が固まったら、次はECサイトを作るためのプラットフォーム選定です。年商5,000万〜3億円規模・EC月商が現状10〜50万円の中小メーカーにとって、大規模なECパッケージやフルスクラッチ開発は現実的ではありません。以下の3つの選択肢から自社の状況に合ったものを選びます。

中小メーカーに現実的な3つの選択肢

プラットフォーム 初期費用 月額費用 向いている会社・状況
BASE・STORES ほぼ0円 無料〜数千円+販売手数料 まず試してみたい・商品数が少ない・予算が極小
カラーミーショップ 無料〜 月3,300〜16,500円 国内向け・シンプルに運用したい・使いやすさ重視
Shopify 無料〜 月33〜880ドル ブランドを本格的に育てたい・将来的に拡大する予定

まず試したいならBASE・STORES

初期費用がほぼゼロで始められるため、「ECをとりあえず試してみる」段階に向いています。設定が簡単で操作もわかりやすいのが特徴です。ただし、デザインの自由度が低くブランドの世界観を表現しにくいこと、販売手数料がかかるため月商が増えると費用負担が大きくなることがデメリットです。月商が50万円を超えてくると、ShopifyやカラーミーへのEC移行を検討するケースが多くあります。

国内向けに安定運用するならカラーミーショップ

国内の決済・配送事情に対応しており、日本語のサポートが充実しているため、ECに不慣れな担当者でも運用しやすいのが特徴です。月額費用が固定のため、販売が増えても手数料の負担が増えにくい点もメリットです。

ブランドを本格的に育てるならShopify

EC月商を100万円以上に育てることを目標とする場合、Shopifyが最も将来性のある選択肢です。テーマのクオリティが高くブランドの世界観をビジュアルで表現しやすく、豊富なアプリを使えばCRM・メールマーケティング・SNS連携・定期購入など、EC事業に必要な機能を柔軟に設計できます。

  • テーマのクオリティが高くブランド世界観をビジュアルで伝えやすい
  • 豊富なアプリでCRMやメールやSNS連携を柔軟に設計できる
  • SEOとの相性が良くコンテンツマーケティングで集客基盤を作れる
  • 将来的な定期購入や海外展開や越境ECに対応できる拡張性がある

デメリットは英語のUIや設定のハードルがあることと、アプリを追加すると月額費用が増えることです。最初から本格的に育てるつもりがあるなら、最初からShopifyで始めた方がトータルコストは低くなります。

モール(楽天・Amazon)との使い分け

自社ECサイトとモール出店は目的がまったく異なります。モールは既存の集客力を借りて新規顧客を獲得する場所ですが、手数料が高く利益率は低くなります。自社ECはブランドを育てリピーターを作る場所で、顧客データが自社に蓄積され長期的な資産になります。支援先の実態として、まずモールで新規顧客を獲得しながら自社ECでリピーターを育てる「モール+自社EC併用」がスタート時の現実的な戦略になるケースが多くあります。

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ECサイト構築の流れ|中小メーカーが準備すべきこと

プラットフォームが決まったら、次はECサイトの構築です。ここで最も重要なのは「技術的な設定」より先に「売れるための素材づくり」に時間を使うことです。ECで売れるかどうかは、商品ページのクオリティで8割が決まります。

STEP1:商品ページの素材を準備する(最重要)

ECで購入を決める瞬間、お客さまの手元に商品はありません。写真・文章・動画だけで「欲しい」という気持ちを作り出す必要があります。この準備を怠ると、どれだけ集客してもアクセスが購入につながりません。

商品写真の準備

白背景の物撮り写真と使用シーン・ライフスタイル写真の2種類が必要です。物撮りは商品の形・色・サイズ感を正確に伝えるもの、ライフスタイル写真は「この商品を使ったら自分の生活がこうなる」というイメージを持ってもらうためのものです。商品1点につき最低5〜10枚用意することをおすすめします。

ブランドストーリーの準備

なぜこの商品を作ったのか・どういう想いがあるのか・どんな人が作っているのかを言語化します。中小メーカーがAmazonや大手通販と戦える唯一の武器は「作り手の顔が見えるストーリー」です。このストーリーは、商品説明よりも購買動機に直結します。

商品説明文の準備

スペックの羅列ではなく「使い手にとってのベネフィット」を中心に書きます。「原材料:〇〇・内容量:200g」という書き方はスペックの説明です。「毎朝のコーヒーに一さじ加えるだけで、砂糖なしでも自然な甘みが楽しめます」という書き方が購入を後押しするベネフィットの説明です。

STEP2:カートシステムの基本設定

選定したプラットフォームに沿って必要な設定を行います。見落としやすいポイントを中心に確認します。

  • クレジットカードやコンビニ払いなど多くの決済方法を用意する
  • 送料無料ラインを設けて追加購入の動機が生まれる設計にする
  • 返品ポリシーを明記して購入をためらう原因をなくす

STEP3:ブランドデザインの設計

テンプレートをそのまま使うのではなく、自社ブランドのカラー・フォント・トーンを統一します。ECサイトの見た目は、お客さまがブランドに対して感じる「信頼感」に直結します。デザインにこだわりすぎて開店が遅れるより、最低限の統一感を作った上で公開し、改善を続ける方が現実的です。

STEP4:アクセス解析の設定

ECサイトを公開すると同時に、必ずアクセス解析ツールを設定します。どこからアクセスが来ているか・どのページで離脱しているか・どの商品が多く見られているかを把握しないと、改善のしようがありません。Google Analytics 4(GA4)とGoogle Search Consoleの2つを設定します。どちらも無料で使えます。

STEP5:SNS・メールとの連携設定

ECサイト単体で完結させず、最初からSNS・メールとの連携を設計しておきます。

  • InstagramやXのプロフィールにECサイトのURLを設置して導線を作る
  • 購入直後のサンクスメールと1〜2週間後のフォローメールを自動設定する
  • トップページとカート画面にメルマガ登録の導線を設けておく

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EC売上を育てる3つの運用施策

ECサイトを公開したからといって、翌日から売上が上がるわけではありません。公開後の運用施策をどれだけ継続できるかが、月商30万円と100万円の差を生みます。担当者が1人・週5時間しか使えない状況でも、以下の3つを継続するだけで確実に変化が生まれます。

施策①:リピーター育成(CRM・メールマーケティング)

中小メーカーのEC事業で最も費用対効果が高い施策はリピーター育成です。一度購入してくれた顧客に再購入してもらうコストは、新規顧客を獲得するコストの5分の1程度と言われています。

購入後のフォローメール設計

購入から3日後に「商品のご感想はいかがですか?」というメールを送ります。内容は感想を聞くだけでなく、商品の使い方・保管方法・相性の良い使い方の提案を盛り込みます。このメールが届くと、顧客は「この会社は購入後も丁寧に対応してくれる」という印象を持ち、次の購入への心理的ハードルが下がります。

定期メルマガの配信

月に1〜2回、商品の背景にあるストーリー・季節の商品提案・製造現場の様子などを配信します。セールの告知だけにしてしまうと「売り込みのメール」として認識されて開封率が下がります。読んで役立つ・読んで楽しいコンテンツを軸にすることで、ブランドへの愛着が育ちます。

2回目購入を促すクーポン

初回購入から1ヶ月後に「次回お買い物で使える10%OFFクーポン」を送ります。2回目購入のハードルを意図的に下げる設計が、リピーターを増やす最短ルートです。クーポンを受け取った顧客の購入率は、クーポンなしと比べて2〜3倍になることが多くあります。

施策②:SNS×ECの連携(ブランドファン形成)

広告費をかけずにEC集客を育てる現実的な方法がSNS運用です。特に中小メーカーにとってInstagramは、商品の世界観とブランドストーリーを発信するのに最も適したプラットフォームです。

Instagramでやるべきこと

投稿内容は商品を見せる投稿・作り手の顔と背景を見せる投稿・使い手の生活シーンを見せる投稿の3種類をバランスよく発信します。この3種類の組み合わせで「この商品が欲しい」だけでなく「このブランドを応援したい」という感情が生まれます。週に3〜5回の投稿が理想ですが、続けられないなら週1〜2回から始めます。継続することの方が頻度より大事です。

SNSからECへの誘導設計

フォロワーをただ増やすだけでは売上につながりません。投稿の文章に「詳細はプロフィールのリンクから」と記載してECサイトへ誘導する、ストーリーズにスワイプアップリンクで商品ページを直接案内するなど、SNSからECへの動線を毎回意識して設計します。

  • 商品を見せる投稿と作り手の背景と使用シーンの3種類をバランスよく発信する
  • 継続することを最優先にして週1〜2回の投稿からでも始める
  • 毎回の投稿にECサイトへの誘導動線を意識して設計する

施策③:SEO・コンテンツマーケティング(長期的な検索流入)

SNSは毎日更新しないと流れてしまいますが、SEOブログは一度書けばずっとアクセスを集め続けます。担当者の時間が限られる中小メーカーにとって、長期的に最も費用対効果が高い集客施策です。

書くべき記事の内容は「自社商品に関連する疑問・課題に答えるもの」です。食品メーカーなら「〇〇の選び方」「〇〇の保存方法」「〇〇を使ったレシピ」、雑貨メーカーなら「〇〇のお手入れ方法」、美容商品なら「〇〇成分の効果」などが検索されやすいキーワードです。月に2〜4本のペースで継続すると、3〜6ヶ月後から検索経由のアクセスが増え始め、広告費をかけなくても毎月一定のアクセスが来る「資産型の集客」が完成します。

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EC売上100万円を達成するためのフェーズ別ロードマップ

EC事業は一夜にして育つものではありません。段階的に設計し、各フェーズで取り組むべきことを把握した上で継続することが、月商100万円・300万円への最短ルートです。

フェーズ1:基盤構築期(月商0→30万円)

目安期間:3〜6ヶ月。このフェーズの目標は「EC事業の基盤を作ること」です。売上よりも仕組みを作ることを優先します。

  • 商品ページの写真と説明文の品質を整備する
  • 購入後のフォローメールシナリオを設計して自動化する
  • SNSアカウントの運用を週2〜3回の投稿で開始する
  • 実店舗来客や展示会名刺リストにEC開設を告知して最初の売上を作る
  • 月商20〜30万円が安定したら次フェーズへ進む準備が整ったサイン

フェーズ2:集客設計期(月商30→100万円)

目安期間:6〜12ヶ月。このフェーズの目標は「ECに人が集まる仕組みを作ること」です。フェーズ1で整えた商品ページと運用体制を前提に、集客チャネルを広げます。

  • SNSのフォロワーよりエンゲージメントを重視して熱量の高いファンを育てる
  • SEOブログを月2〜4本のペースで開始して検索流入の基盤を作る
  • 購入者とSNSフォロワーをメルマガリストに誘導して500件を目指す
  • 月3〜5万円のMeta広告でデータ収集のテストを始める

フェーズ3:EC事業化期(月商100→300万円)

目安期間:12〜24ヶ月。このフェーズの目標は「ECが事業の柱のひとつとして機能すること」です。売上よりもリピート率・LTV(顧客生涯価値)の向上を中心に設計します。

  • 2回目購入率と購入頻度と平均注文単価を毎月数値で管理する
  • EC限定商品や定期購入プランやギフトセットを展開して客単価を上げる
  • フェーズ2で集めたデータをもとに広告のROASを最適化する
  • EC担当者を専任にするか外部運用支援と継続連携する体制を作る

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よくある質問

ECサイトを作るのにいくらかかりますか?

プラットフォームによって大きく異なります。BASE・STORESなら初期費用ほぼゼロで始められます。ShopifyはプランによってUSD33〜880/月程度の月額費用がかかります。制作を外部に依頼する場合は、デザイン・設定費用として10〜50万円程度が相場です。ただし「制作費用」だけを見て判断しないことが重要です。商品撮影費・ライティング費・広告費・運用支援費など、公開後に必要な費用の方が制作費より大きくなることもあります。ロードマップ全体での投資計画を立てた上で判断することをおすすめします。

担当者がいない会社でもEC事業は始められますか?

始められます。ただし「担当者をゼロにしたまま進める」ことは難しいです。社長・専務・事務スタッフのいずれかが「週5〜10時間だけEC業務に充てる」という体制を作ることが最低条件です。技術的な設定・デザイン・運用支援を外部に委託することで、社内の担当者は「商品情報の提供・SNS投稿・メルマガ文章の確認」に集中できます。全部を一人でやろうとせず、外部支援と役割分担することが現実的なスタートです。

ShopifyとBASEのどちらがいいですか?

「まず試してみたい・商品数が少ない・予算が極小」という場合はBASEから始めるのが現実的です。一方「ブランドを本格的に育てたい・EC月商100万円を目指したい・将来的に定期購入や海外展開も視野にある」という場合は、最初からShopifyで始めることをおすすめします。BASEからShopifyへの移行は商品数・顧客データが増えるほど手間がかかります。最終的にShopifyを使うつもりがあるなら、最初からShopifyで始めた方がトータルコストは低くなります。

EC月商が30万円から上がらない場合の原因は何ですか?

最も多い原因は「集客が存在しない」ことです。広告なし・SNS更新停止・SEOなし・メルマガなしの状態ではアクセス数が増えないため売上も増えません。まずGA4でアクセス数を確認し、月間アクセスが500未満であれば集客強化が最優先課題です。アクセスが月間1,000以上あるにもかかわらず購入につながらない場合は商品ページに問題があります。写真のクオリティ・商品説明の充実度・送料設計を見直します。

補助金はEC構築に使えますか?

条件によっては使える補助金・助成金があります。代表的なものとして「小規模事業者持続化補助金」や「IT導入補助金」があり、ECサイト構築・運用費が対象になるケースがあります。ただし補助金は公募期間・審査基準・対象範囲が変わるため、申請前に最新情報を確認することが必要です。地元の商工会議所や市区町村に問い合わせることをおすすめします。

まとめ|ECは「作るもの」ではなく「育てるもの」

中小メーカーのEC事業で成果を出すために重要なポイントを整理します。

この記事のまとめ

  • ECサイトがあることとEC事業があることは別物で売れない原因は設計不足にある
  • 卸・展示会依存の構造は限界が近づいておりEC事業で収益の安定性が高まる
  • EC構築前に目標・商品・価格・体制・集客の5つの事業設計を必ず決める
  • プラットフォームはまず試すならBASE本格的に育てるならShopifyが基準
  • 公開後はリピーター育成とSNS連携とSEOの3施策を継続して売上を育てる
  • フェーズ1から3の段階を意識して月商100万円・300万円を目指して積み上げる

ECは作った瞬間がスタートです。売上を育てるのは、公開後の継続的な設計と改善の積み上げです。まず小さく始め、データを見ながら改善を続けることで、3年後の販売構造は大きく変わります。

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