「案件は紹介が中心で、数が読めない」「担当者が動いた分しか商談が増えない」「問い合わせは来るのに、商談や受注まで残らない」——案件を増やしたいのに頭打ちになる会社には、共通した構造があります。先に結論をお伝えすると、案件数は気合いや人手を増やすことではなく、見込み客との接点を取りこぼさず追いかける「仕組み」をつくることで増えていきます。50社以上のBtoB中小企業を支援してきた経験から言えば、その仕組みづくりはデジタル化・AI・自動化の三つを組み合わせることで、少人数のままでも実現できます。本記事では、AIを使って案件・問い合わせを増やす考え方と、現場の負担を増やさない進め方を順に整理します。
こんな方におすすめの記事です
- 紹介頼みで案件数が読めず、増やし方に悩んでいる
- 問い合わせは来るのに商談・受注まで残らない
- 担当者が動いた分しか案件が増えない状態を変えたい
- AIを案件獲得に使いたいが何から始めるか分からない
- ツールを入れたのに案件が増えなかった経験がある
この記事でわかること
- 案件が増えない会社に共通する構造と、その可視化(WGM)
- 営業の仕組み化から見たデジタル化・AI・自動化の役割
- 案件獲得でAIに任せる業務と、人が持つべき業務の線引き
- AIで案件を増やし、施策を止めずに回す進め方
- 営業・マーケ部門が低リスクでAIを導入するステップ
「Web×MA連携設計図|MAを機能させる4段階の連携設計と20項目診断」
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【こんな方におすすめ】
- 過去にツールを導入したが、メール配信ツールとして眠ったままになっている
- 展示会名刺や過去の問い合わせ履歴が、活用されないまま放置されている
- 営業マンが見込み客のフォロー作業に追われ、商談に集中できていない
- MA導入を検討しているが、自社で成果が出るか判断できていない
- ベンダー提案の機能は理解したが、自社での活用設計が描けない
【この資料でわかること】
- 集客・着地・育成・商談化の4段階でMAを機能させる連携設計の全体像
- 見込み客を商談温度まで温める、検討段階別シナリオ設計の考え方
- 自社のMA活用準備度を判断できる20項目チェックシート(全40ページ)
なぜ今、案件の増やし方を見直す必要があるのか
以前は紹介や既存の付き合いで案件がある程度回っていた会社も、紹介の波が読めず、担当者が忙しくなるほど新しい案件に手が回らなくなります。一方で、問い合わせや名刺といった「接点」は生まれているのに、追いかけきれずに消えていく——これが案件数の頭打ちの正体です。ここでは、なぜ人に頼った営業では案件が増えにくいのか、そして努力ではなく構造を変えることがなぜ近道なのかを整理します。
人に頼った営業では案件が増えにくい理由
紹介や担当者の頑張りに頼った営業は、短期的には回ります。しかし紹介は自社で計画して増やせるものではなく、件数も時期も読めません。現場で見てきた中では、社長や一部の担当者だけが商談状況を把握していて、その人が動けない間は新しい案件が止まる、という会社が少なくありませんでした。担当者が不在になると過去のやり取りが分からず、見込み客に同じことを聞いてしまって温度が下がることもあります。これは能力の問題ではなく、仕組みがないことの問題です。誰が見ても状況が分かる形にすると、接点を取りこぼさず、案件を安定して増やしやすくなります。
- 商談状況を一枚で見える一覧にまとめる
- 要点を三行で残す習慣を社内で作る
- 次回連絡日を必ず登録して追いかけを切らさない
- 判断基準を短文で共有して確認待ちを減らす
- 引継ぎ用の型を先に作っておく
案件を増やすには努力より「構造」を変える
案件が増えない状態の正体は、努力量ではなく、生まれた接点を取りこぼし、追いかけが止まる構造にあります。接点を一か所に集め・状態を揃え・次の行動を先に決める——この三点が回る形をつくると、同じ人数でも接点を案件に変えやすくなります。展示会・広告・SNS・Webといった接点づくりの打ち手は、自社で計画して再現できる確かな手段です。問題は打ち手そのものではなく、集めた接点を案件化する仕組みがないこと。だからこそ、構造を整えることが案件増の第一歩になります。
- 接点を一か所に集めて取りこぼしを防ぐ
- 状態を揃えて追いかけを止めないようにする
- 次の行動を先に決めて後回しをなくす
- 読めない紹介頼みから計画できる接点へ広げる
- 集めた接点を案件化する仕組みを先に作る
BtoB営業全体を仕組み型に変える全体像については、こちらで詳しく解説しています。あわせて読むと、本記事の位置づけが分かりやすくなります。

営業のどこで止まっているかを1枚で整理する

案件を増やしたいとき、やみくもに施策を足すと、すでにできている部分に重ねて打ってしまい、肝心の止まっている場所が放置されがちです。弊社では、営業のどこで止まっているのかを実際の現場で特定するために、独自に整理したフレームワーク『営業基盤グロースマトリクス(WGM)』を使っています。これまで200件以上のご相談をお受けしてきましたが、その大半の課題は、このフレームワークで整理することができます。
WGMで現状を可視化すると、何が分かるのか
WGMの使い方はシンプルです。横軸のお客様の購買プロセス(①認知→②興味関心→③課題認知→④比較検討→⑤購入)と、縦軸の営業の3層(集客層は接点をつくる役割・育成層は課題を一緒に整理する役割・商談層は比較検討から受注を支える役割)に、自社の今の取り組みを当てはめていきます。すると、どのセルが「できている」で、どこが「できていない」かが一目で可視化されます。
可視化されると、止まっている場所=ボトルネックのセルが分かり、そこに課題があること、そして打つべき施策がどこにあるかが見えてきます。これが分かると、すでにできている所へ重ねて投資するムダを避け、案件が止まっている場所から優先的に手を打てるようになります。図の赤い縦の破線「3つの壁」は、お客様が次へ進むときに止まりやすい縦のラインです。第1の壁(アクセス数)は①→②、第2の壁(問い合わせ)は③→④、第3の壁(受注)は④→⑤の境目にあり、どの壁が一番厚いかを見ると、打ち手の優先順位がさらに付けやすくなります。
- 自社の取り組みをセルに当てはめて現状確認する
- できている所・できていない所を可視化する
- 止まっているセルから課題と打つべき施策が見える
- 重複投資を避け、優先順位をつけて手を打てる
- 一番厚い壁から崩す順番を決められる
この記事が扱うのはWGMの「どこ」か
本記事で紹介するのは、図の★印『育成層×③課題認知』、ちょうど第2の壁(問い合わせ)の手前の部分です。問い合わせや名刺といった接点は生まれているのに、追いかけが止まり、商談や案件につながらない——多くのBtoB中小企業が、ここで案件を取りこぼしています。この記事では、このセルで打つべき対策・施策、つまりデジタル化・AI・自動化を使って「生まれた接点を案件に変える」具体策を紹介していきます。なお、そもそもの接点を増やす集客層の話や、最後のクロージングを担う商談層の話は今回の射程の外で、別の記事で扱います。
- 本記事の射程は育成層×課題認知の1セル
- 位置づけは第2の壁(問い合わせ)の手前
- 狙いは生まれた接点を案件に変えること
- 集客層・商談層は別記事で扱う
- まずここを整えると取りこぼしが減る
営業の仕組み化から見たデジタル化・AI・自動化
似た言葉が並ぶと迷いますが、案件を増やす観点で役割を分けると、すっきりします。デジタル化は接点や商談の情報を残して取りこぼさない「土台」、AIは案件化につながる作業を速くする「下ごしらえ」、自動化は育成やフォローを止めずに回す「流れ」です。それぞれの活用例と、解決できる課題を見ていきます。
デジタル化:接点を残し、案件を取りこぼさない土台
デジタル化は、紙や口頭・記憶に頼っていた接点情報を、残る形に変えることです。例えば問い合わせ・展示会の名刺・商談の履歴を一つの一覧にまとめ、対応状況を記録できるようにします。実際にご支援した会社でも、ここを一覧化しただけで「誰がどこまで対応したか」が見えるようになり、追いかけ漏れが目に見えて減りました。メリットは、取りこぼしが見えること。解決できるのは、せっかく生まれた接点が記憶や個人のメモに埋もれて消えていく、という案件のロスです。
- 問い合わせ・名刺・商談履歴を一覧に集約する
- 対応状態を「未対応・対応中・完了」で揃える
- 最新版が分かる置き場をひとつ決める
- 追いかけ漏れを一覧で見える化する
- 接点の消失による案件ロスを防ぐ
AI活用:案件化につながる作業を速く・揃える
AIは、案件化の手前にある「文章づくり」「整理」を速くする道具です。問い合わせへの初動返信の下書き、見込み客情報の要点整理、提案書の構成案づくりなどが得意です。白紙から作ると時間がかかる作業も、AIの下書きを人が直す形にすれば、初動が速くなり、検討が前に進みやすくなります。解決できるのは、対応の遅れによる熱の低下と、提案準備が重くて後手に回る問題です。金額や条件の判断は人が持ち、AIは下ごしらえに絞るのが安全です。
- 問い合わせの初動返信を下書きして時短する
- 見込み客情報を要点に整理してもらう
- 提案の構成案を先に作って整える
- 対応の遅れによる熱の低下を防ぐ
- 最終判断は人が行い責任を守る
自動化:育成・フォローを止めずに回す流れ
自動化は、追いかけの流れを止めないための仕組みです。次回連絡日の登録とリマインド、定型フォローの型、状態に応じた次の一手をあらかじめ決めておくことで、忙しくてもフォローが後回しになりません。解決できるのは、資料を送った後に連絡を忘れ、相手が他社へ進んでしまう「後回しによる失注」です。大きなシステムは不要で、一覧と簡単なリマインドの仕組みだけでも、追いかけは大きく安定します。
- 次回連絡日を登録してリマインドする
- 定型フォローを型にして迷いをなくす
- 反応なし時の次の一手を用意しておく
- 後回しによる失注を構造的に減らす
- 追いかけを止めない流れを作る
AIが得意な業務と、人の手が入った方がいい業務
案件獲得にAIを使うときに迷うのは「どこまで任せていいか」です。営業の仕組み化の観点では、AIが得意なのは「集める・整える・たたき台を作る」案件化の下ごしらえ、人が持つべきなのは「見極める・決める・約束する」案件の成否を分ける判断、と線引きできます。ご支援の現場でも、AI活用でつまずくのはたいてい、この「決める」部分まで任せてしまったときでした。
AIに任せやすい業務(案件化の下ごしらえ)
繰り返しが多く、答えの幅がある程度決まっている作業は、AIの下書きが役立ちます。問い合わせの仕分けや見込み客情報の整理、初動返信・フォロー文の下書きなどは、人が最後に目を通す前提なら安心して任せられます。白紙から作る時間を減らせるうえ、対応の品質も揃いやすくなります。
- 問い合わせ内容を分類・タグ付けする
- 見込み客情報や商談メモを要点に整理する
- 初動返信・フォロー文の下書きを作る
- 提案書の見出し・構成案のたたき台を作る
- 言い回しを整え、誤字や読みにくさを洗い出す
人の手が入った方がいい業務(案件の成否を分ける判断)
見込みの見極めや提案の方向づけ、金額・条件の交渉やクロージングは、案件の成否を直接左右する業務です。ここをAIに任せると、一見それらしくても、相手との関係や条件を踏み外すことがあります。AIが作った下書きを土台にしつつ、案件を前に進める判断と、送信前の最終確認は必ず人が行う形にします。
- 見込みの見極めと優先順位づけをする
- 相手の温度感を読んで提案の方向を決める
- 金額・納期・条件の交渉と最終決定をする
- クロージングや関係構築の対応をする
- 個人情報・機密の取扱いと最終確認をする
任せる・任せないの線引きの基準
迷ったときは「これは決める作業か、整える作業か」で分けると判断しやすくなります。整える・集める・たたき台を作る作業はAIに、見極める・決める・約束する作業は人に——この一線を社内で短く共有しておくだけで、AIを安心して案件獲得の業務に組み込めます。
- 「決める作業」と「整える作業」で切り分ける
- AIは整える・集める・下書きに役割を限定する
- 案件の成否に関わる判断は人が必ず持つ
- 下書き→人の確認→確定の順番を固定する
- 線引きを短文で社内共有して迷いをなくす
AIで案件を増やし、施策を止めずに回す方法
案件は、単発の施策ではなく「接点を増やす→受け止める→育てる→商談化する」という流れが止まらず回ったときに増えていきます。AIは、この流れの各段で発生する文章づくりと整理を肩代わりし、少人数でも流れを止めないようにする役割を担います。ここでは、案件獲得につながるAIの使いどころと、施策を「回す」とはどういうことかを整理します。
案件獲得につながるAIの使いどころ
接点が生まれた直後の「受け止め」では、初動返信の下書きをAIに作らせ、人が商品名や金額を確認して送ります。初動が速いほど、相手の熱が高いうちに会話を始められます。「育てる」段では、見込み客情報の整理やフォロー文の下書きにAIを使い、追いかけを切らさないようにします。「商談化」の手前では、これまでのやり取りを要点化し、提案書の構成案をAIに作らせると、提案の提出が早まり検討が進みます。いずれも、AIは下ごしらえ、判断は人、という形が前提です。
- 受け止め:初動返信の下書きで初速を上げる
- 育てる:フォロー文と見込み整理で追いかけを切らさない
- 商談化:やり取りを要点化し提案構成案を作る
- 各段でAIは下ごしらえ、判断は人が持つ
- 接点から商談化までの流れを止めない
AIで施策を「回す」とはどういうことか
施策を回すとは、「AIで下書き→人が確認→実行→記録→次の一手」という小さなループを、毎週決まったタイミングで回し続けることです。誰かの頑張りに頼るのではなく、一覧を見て止まっている案件を動かし、AIで連絡文の下書きをすぐ作る。この習慣が回り始めると、案件が特定の人や紹介の波に左右されにくくなります。ご支援の現場でも、週に一度この見直しを入れた会社ほど、追いかけ漏れが減り、案件の取りこぼしが目に見えて減っていきました。
- 下書き→確認→実行→記録→次の一手で回す
- 週一回、止まっている案件を一覧で動かす
- 連絡文はAIで即下書きして実行を早める
- 人の頑張りでなく仕組みで追いかける
- 紹介の波に左右されない流れを作る
この「集める・受け止める・育てる・商談化する」の4段階をどう連携させるかは、無料の設計資料に20項目の診断シート付きでまとめています。自社のどこから手を付けるかの当たりをつけたい方は、あわせてご活用ください。
AI×デジタル化×自動化で案件を増やす具体例
売上を伸ばす方向は、大きく三つです。新しい見込み客や問い合わせを増やすこと・生まれた接点を案件に変えること・既存のお客様から追加で受注することです。ここでは、それぞれにAIとデジタル化・自動化をどう組み合わせるかを、具体例で見ていきます。大きなシステムは不要で、一覧と簡単な仕組みだけでも効果が出ます。
例1:Webからの問い合わせ・見込み客を増やし、取りこぼさない
Webや広告から問い合わせが来ても、初動が遅いと相手の熱は下がり、他社に流れます。問い合わせを一つの一覧に集め、状態を「未対応・対応中・完了」で揃え、初回返信の目標を24時間以内に決めます。AIはよくある質問への返信下書きに使い、人が金額や商品名を確認して送ります。実際にご支援した会社でも、この受け止めを整えただけで返信が速くなり、商談化する問い合わせの割合が上がった例がありました。新しい接点をそもそもどう増やすか(集客側)の整理は、こちらも参考にしてください。
- 問い合わせを一覧に集約し状態を揃える
- 初回返信の期限を決めて初速を上げる
- AIで返信下書きを作り人が確認して送る
- よくある質問をテンプレート化しておく
- 取りこぼしを減らし商談化の割合を上げる
Webと展示会で見込み客を増やす全体像は、こちらで詳しく解説しています。

例2:展示会・既存の名刺を案件に変える
展示会は、自社で計画して接点を集められる確かな手段です。問題は名刺を集めることではなく、集めた名刺を案件化できずに放置してしまうことにあります。獲得した名刺を一覧にまとめ、興味度や次回連絡日を記録し、AIでフォロー文の下書きを作って追いかけます。誰がいつ連絡したかが残るので、二重連絡や放置を防げます。眠っていた名刺から商談が生まれることも珍しくありません。
- 名刺を一覧化し興味度と次回連絡日を残す
- AIでフォロー文を下書きして追いかける
- 連絡履歴を残し二重連絡や放置を防ぐ
- 放置されていた接点を案件化につなげる
- 計画できる接点を取りこぼさず活かす
集めた名刺や顧客情報を案件化に活かす顧客管理のやり方は、こちらで整理しています。

例3:既存顧客への追加提案で売上を増やす
新規だけでなく、既存のお客様への追加提案も、案件を増やす確かな方向です。過去の取引やお困りごとを一覧で見える形にしておき、提案のタイミングを逃さないようにします。AIは過去のやり取りを要点化し、追加提案の構成案を作るのに使えます。相見積もりになりやすい場面では、見積りを出す前に何を伝えるかで結果が変わります。提出を急ぐより、相手の課題に合った提案を先に整えることが、価格勝負を避ける近道です。
- 過去の取引・困りごとを一覧で見える化する
- 提案タイミングを逃さない仕組みを作る
- AIで要点整理し追加提案の構成案を作る
- 見積りを出す前に伝える情報を整える
- 価格勝負ではなく課題適合で選ばれる
相見積もりで価格勝負にならないために出すべき情報は、こちらで詳しく解説しています。

具体例から見える共通ポイント
三つの例に共通するのは、案件は「接点を増やす×取りこぼさない×追いかける」の三つが揃うと増える、ということです。情報を一つに集めれば取りこぼしが減り、状態を揃えれば追いかけが切れず、次の行動を先に決めれば後回しが減ります。AIはこの流れの中で下書きと整理を肩代わりし、実行のハードルを下げます。先ほどのWGMで言えば、これは育成層×課題認知、つまり第2の壁(問い合わせ)の手前で起きていた取りこぼしを減らす取り組みです。
- 接点を増やし、取りこぼさず、追いかける
- 情報を集約して取りこぼしを減らす
- 状態を揃えて追いかけを切らさない
- AIは下書きと整理で実行を早める
- 第2の壁の手前の取りこぼしを減らす
営業・マーケ部門が低リスクでAIを導入するステップ
案件獲得や見込み客獲得のためにAIを入れるとき、いきなり全体に広げると、入力が増えて続かなかったり、判断まで任せて事故が起きたりします。リスクを抑えて導入するには「順番」が重要です。現状を可視化し・一か所に絞り・小さく試し・回しながら広げる、という四段階で進めます。
ステップ1:WGMで案件が止まっている場所を1つ特定する
最初にやるのは、現状をWGMに当てはめ、案件がどこで止まっているかを1か所に絞ることです。問い合わせの受け止めが遅いのか、フォローが続かず育成で止まるのか、提案段階で競合に流れるのか。止まっている場所が分かれば、そこにAIと仕組みを集中させられます。あれもこれもと広げないことが、低リスク導入の第一歩です。
- 現状をWGMのセルに当てはめて確認する
- 案件が止まっている場所を1つに特定する
- 一番厚い壁から崩す順番を決める
- 広げすぎず1か所に集中する
- 改善効果が見えやすい場所を選ぶ
ステップ2:その1か所に絞ってAIの使いどころを決める
絞った場所に対して、AIに任せる作業を「下書き・整理」に限定して決めます。例えば受け止めなら初動返信の下書き、育成ならフォロー文と見込み整理、というように用途をはっきりさせます。判断(金額・条件・見極め)は人が持つと先に決めておくと、現場が安心してAIを使えます。役割を分けることで、ツールに振り回されずに済みます。
- AIの用途を下書き・整理に限定する
- 判断は人が持つと先に決めておく
- 集める場所と状態の管理方法を決める
- 次回行動を必須にして後回しを防ぐ
- 役割を分けてツールに振り回されない
ステップ3:小さく試す(機密は入れず、人が最終確認)
入力項目を最小にして、関係者が少ない範囲で試します。AIには個人名・電話番号・契約条件・社外秘の数字は入れず、必要なら「A社」「Bさん」に置き換えます。AIの下書きは必ず人が確認してから送る運用にすれば、情報の事故も内容の間違いも防げます。小さく始めることで、失敗しても影響を小さく抑えられます。
- 入力項目を最小にして小さく開始する
- 個人情報・機密はAIに入力しない
- 必要なら固有名を置き換えて使う
- 下書き→人の確認→送信の順を固定する
- 関係者が少ない範囲で先に試す
ステップ4:週次で回し、効果を見て広げる
週に一度、一覧を見て止まっている案件を動かし、使われない項目は削り、足りない項目だけ足します。効果が出た使い方を、隣の業務へ少しずつ広げていきます。どのくらいで案件増を実感できるかは現状や体制によって変わりますが、完璧な形を待つより、小さく回しながら整える方が、結局はリスクが小さく定着します。広げる際も、判断は人・下書きはAIの線引きは変えません。
- 週一回の見直しで止まり案件を動かす
- 使われない項目は削って軽くする
- 効果が出た使い方を隣の業務へ広げる
- 線引き(判断は人・下書きはAI)は維持する
- 小さく回して低リスクで定着させる
よくある質問・不安への答え
AIを案件獲得に使うとなると、情報の扱いやツール選び、社内の協力に不安が出ます。大事なのは不安をゼロにするより、リスクを小さくして続けられる形で始めることです。よくある三つの不安への考え方を確認します。
AIに顧客情報を使う不安はどう考えるか
心配なときは「入れていい情報」と「入れない情報」を決めるだけで、安心感が大きく上がります。個人名・電話番号・住所・契約の細かい条件・社外秘の数字は入力しないと決め、必要なら「A社」「Bさん」に置き換えます。AIは文章の型づくりや下書きに使い、具体情報は人が入れる形にすると安全です。最後に人が確認して送る運用にすれば、案件に関わる間違いも防げます。
- 個人情報は入力せず置き換えて使う
- 契約条件や機密数字は入力しない
- AIは下書き用途に限定して運用する
- 送信前に人が必ず確認して確定する
- 社内ルールを短文で作り共有しておく
案件獲得のためのツールはどう選ぶか
大切なのは機能の多さではなく「目的に合うか」と「続けられるか」です。目的を一つに絞ります。問い合わせを取りこぼさない・名刺を案件化する・追いかけを切らさない、などです。入力が少なくて済むか、一覧で止まっている案件が見えるかを確認します。入力が重いと忙しいほど使われません。週に一度見直して回せる運用を想定して、シンプルな条件で選びましょう。
- 目的を一つに絞って必要機能を決める
- 入力項目が少ないものを優先して選ぶ
- 一覧で止まっている案件が見えるか確認する
- 次回行動や期限が管理できるかを見る
- 週一見直しで回せる運用を想定する
社内がついてこない場合の進め方
ついてこない理由は、変化が嫌というより「手間が増える」と感じるからです。小さく始めて「得」を先に見せることが対策です。未対応が見えて安心できる・返信が下書きで速くなる・次回行動が決まって迷いが減る、といったメリットを体験してもらいます。関係者が少ない範囲で成功し、その型を共有して広げると反発が減ります。案件が増えた数字を見せると納得感が高まり、協力が増えやすくなります。
- 少人数の範囲で先に成功体験を作る
- 入力を減らして手間が増えない形にする
- 見えるメリットを先に体験してもらう
- ルールを短くして迷いをなくしていく
- 案件増の数字を示して納得感を高める
まとめ:案件は「仕組みで取りこぼさない」と増えていく
案件を増やす近道は、人手や気合いを増やすことではなく、生まれた接点を取りこぼさず追いかける仕組みをつくることです。まずWGMで案件が止まっている場所を1つ特定し、デジタル化で接点を残し・自動化で追いかけを止めず・AIで下書きと整理を速くします。AIは下ごしらえ、判断は人、という線引きを守りながら、週に一度回して広げると、紹介の波に左右されずに案件が積み上がっていきます。
まず取り組むべきポイントと次の一歩
迷ったら、問い合わせの受け止め・名刺や顧客情報の整理・追いかけの順で整えると効果が出やすいです。受け止めが速くなると商談化が増え、情報が整うと提案と追加提案が楽になり、追いかけが回ると取りこぼしが減って受注が安定します。「自社の場合どこから始めるべきか」「最小の運用ルールを作りたい」「AIの使い方を案件獲得に向けて安全に整えたい」という場合は、現状をWGMで短く整理するところから始めるのがおすすめです。BtoB営業全体を仕組み型に変える方法は、こちらで詳しく解説しています。
- 問い合わせの受け止めを速くして商談化を増やす
- 名刺・顧客情報を整理して案件化に活かす
- 追いかけを仕組み化して取りこぼしを減らす
- AIは下書き、判断は人の線引きを守る
- WGMで現状を整理して次の一手を決める

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この記事の著者
高橋 竜也|合同会社ウィル 代表
BtoBマーケティングの現場経験10年以上、Web制作の現場経験7年以上。福岡・博多を拠点に、BtoB中小企業の営業基盤づくりを支援。これまでに50社を超える制作・支援、200件以上のご相談に対応。独自フレームワーク『営業基盤グロースマトリクス(WGM)』を提唱。



