マーケティングを行なっていく際に必ず考えなくてはならないのは、誰をターゲットにマーケティング活動を行なっていくかです。
ターゲット像の認識がずれてしまっては、正確なマーケティング施策を打っていくのは難しくなりますし、期待していた効果を出すのも難しいでしょう。
そこで自社ユーザーが誰なのか、そのユーザーをどのようにして商品の購入やサービスの申し込みにつなげていくのかを明確に定義するのがペルソナマーケティングです。
今回は、ペルソナを作成するメリットやその手順について詳しく解説していきます。
ペルソナとは?
ペルソナとは、自社商品やサービスの典型的なユーザー像のことで、年齢、職業、性別、年収、趣味、家族構成、ライフスタイルなど具体的な情報を設定し、よりリアルに作成する顧客像のことです。
ターゲティングとの大きな違いは、ペルソナの方がより細かく顧客像を設定していくことになるので、より顧客に焦点を当てたマーケティング施策を展開していくことができます。
ペルソナの具体例
ここではダイエットサプリを販売すると仮定して見ていきましょう。
- ・ターゲティングの場合
- 女性
未婚
20代〜30代
痩せたいと思っている
- ・ぺルソナの場合
- 佐藤優子
女性
24歳
彼氏はいるが結婚はしていない。
職業:都内でOLをしている。
SNS:InstagramとFacebookをしており、頻度は高くないがイベントなどに行った時は更新をしている。
趣味:美味しいものや甘いものが好きで、雑誌などに掲載されているスイーツなどがあると友達とよく食べに行っている。
情報収拾方法:パソコンは使わず、主にスマホできになることがあれば調べている。
最近太ってきたので、ジムにいく時間などはないが、食事制限やサプリで痩せたいと思っている。
このように、ターゲティングとの大きな違いは具体的な情報を設定していくことで、より顧客像が明確に見えてくる点にあります。
ペルソナ作成のメリット
メンバーで共通の認識を持ってマーケティングを行える
ペルソナの設定を行うことによって、メンバーの認識を統一することができます。
マーケティングを行う際には、誰に向けてメッセージを発信するかが非常に重要になってきます。
この「誰に向けて」がメンバー内で統一できていないと、発信する情報やコンテンツ、デザインなどにばらつきが出てしまい、期待していた効果が得られない可能性があります。
また、「20代女性でダイエットしたいと思っている。」という情報だけでは、その人がなんで痩せたいのかや、目的などがバラバラの認識のなかでそれぞれが作業をしていかなければならないので、ペルソナを設定し方向性を合わせる必要があるのです。
カクテルパーティー効果
カクテルパーティー効果とは、「あなたに」や「あなたのために」などを強調することによって、発信したいメッセージがターゲットしているユーザーに届きやすくなることを言います。
パーティーなどで周りが騒がしい時に、自分に興味のある話や、名前を呼ばれないとそもそも気づかないと行った経験はないでしょうか?
大勢に発信している情報は、自分に対する関連性が高くないと人はなかなか耳を傾けてはくれません。
ペルソナを設定することにより、発信している情報はペルソナに近いターゲットであればその関連性は強くなるので、それだけユーザーに届くのです。
ペルソナの作成方法と手順
対象となる製品やサービスのペルソナを作る際の手順は大きく分けて、以下の3ステップになります。
- STP分析
- ユーザーの調査
- ペルソナ項目の作成
それでは一つずつ解説していきます。
STP分析
STP分析とは、セグメンテーション、ターゲティング、ポジショニングの頭文字をとってつけられた分析方法になります。
- セグメンテーション
- ユーザーを属性情報を元にグループ分けすることを言います。
- ターゲティング
- セグメンテーションしたユーザーグループの一つに焦点を絞ることを言います。
- ポジショニング
- 対象となる商品やサービスの市場における企業の立ち位置のことを言います。
ペルソナを作成する際には、事前にどのユーザーをターゲットに絞るかを決めておく必要があります。
ターゲティングするためには、対象となる市場に関する調査をしなければならないため、その際に必要になってくるのがSTP分析です。
ペルソナ作成に関する調査を行う際に、STP分析がしっかりとできていないと、ターゲットがブレてしまうことがあるので、事前にしっかりと行なって、どの層をターゲットにするのかを明確に決めておきましょう。
ユーザーの調査
狙っていく市場やターゲットが決まったら、そこに関するユーザー情報を集めていく必要があります。
ペルソナを作る際に注意点としては、理想的なユーザー像を作るのではなく、よりリアルなユーザー像を作ることに注力してください。
というのも、マーケティングを行なっていく際にペルソナを中心に、このペルソナが商品やサービスを知ってからどのような経緯で購買までつなげていくかについて、チームで動いていくことになるので、実際のユーザーとの誤差が生じることにより、本来期待していた結果が出ない可能性があるからです。
ユーザーの調査を行う際には、すでにデータとして所有しているものを中心に行なっていきましょう。
また、関連する商品やサービスをすでに利用している既存ユーザーも参考になると思います。
ペルソナ項目の作成
ターゲティングと対象となるユーザーの情報が揃ったら、具体的なペルソナの作成に入っていきます。
対象となる商品やサービスによって項目は自由に増やしたり減らしたりして、ターゲットとなる対象に近づけていきましょう。
一般的なペルソナの作成を行う際には、以下の項目で作成していきます。
- 名前
- 年齢
- 性別
- 住んでいる場所
- 仕事(仕事内容、役職)
- 生活パターン(起床時間、通勤時間、勤務時間、就寝時間、外食派or自炊派)
- 最終学歴 価値観
- 考え方
- 今課題と感じていることやチャレンジしたいこと
- 恋人・配偶者の有無
- 家族構成
- 収入
- インターネット利用状況、利用時間、所持しているデバイス
- 趣味や興味の対象
最後に
ペルソナ作成の重要性や、その作成手順についてご紹介させていただきました。
ペルソナを作ることにより、そのようなマーケティング活動が対象ユーザーに届くのか、また効果があるのかも、ペルソナを通じて発見することができます。
マーケティングに関する投資も、効果的な施策に集中して投資することができるため、ROIも見込むことができるでしょう。